- すべての地磁気嵐は原因が太陽にある、地上の天気ではない
- 主な原因はコロナ質量放出とコロナホール由来の高速風
- 決め手は太陽風の磁場の向き、南向きだと磁気リコネクションでエネルギーが流入しやすい
- 流入したエネルギーが電流を強め、オーロラを光らせ世界規模で磁場を乱す
- 嵐は太陽活動の11年周期の活動期に多くなる
地上の「嵐」という言葉から雨や風を想像する人が多いでしょう。しかし地磁気嵐は雲や降水とは無関係で、地球を包む見えない磁気のバブルの中で起きる擾乱です。そしてほとんどの場合、すべての原因は太陽にさかのぼります。
太陽が始まり
太陽は静かな光の玉ではなく、電荷を帯びたプラズマが激しく動く大きなかき混ぜ鍋です。その動きが強い磁場を生み、ねじれや張力をためます。張力が解放されると大量のエネルギーや物質が宇宙へ放出されます。多くは地球を外れていきますが、向かってくるものがあると磁気嵐を引き起こします。
太陽風という常時の吹き流し
太陽はいつも荷電粒子を全方向へ送り出しています。これが太陽風です。通常は穏やかですが、ときに速度や密度、磁気的性質が強まって地球に衝撃を与えます。嵐を引き起こしやすい条件は長時間の高速太陽風と、その風が運ぶ磁場の向きです。
主な原因の違い
コロナ質量放出は太陽の大気から一度に大量のプラズマと磁場を放出する劇的な現象で、強い嵐を生みやすいです。一方コロナホールは磁場が外向きに開いている領域で、そこからの高速流は繰り返し地球に届きやすく、月単位で再発することがあります。通常こちらの嵐は穏やかです。
磁場の向きが鍵
もっとも重要なのは太陽風の磁場が地球の磁場に対してどの向きかという点です。地球側の磁場と反対向き、すなわち南向きの磁場が来ると磁気リコネクションが起きやすく、両者が繋がって効率的にエネルギーが流れ込みます。これが嵐の強さを決める最大の要因です。
地球内部で起きること
エネルギー流入で近地球空間の電流が強まり、リングカレントが発達して地上で測る磁場が低下します。上層大気は加熱され膨張し、極付近では荷電粒子が大気分子に衝突してオーロラを発生させます。嵐は到来期、主期、回復期という段階で進行します。
人への影響について
地上で日常的に感じる影響は通常小さいですが、衛星や送電設備には影響が出ることがあります。健康への直接的影響は研究が続いており明確ではありません。不安がある場合は医療機関に相談してください。
出典
- NOAA / NWS Space Weather Prediction Center (SWPC)
- GFZ Helmholtz Centre for Geosciences
- NASA Science